江戸後期・明治初期の歴史/資料解説
葵文庫

 

AJ-34-41
[官版 砲兵程式]
陸軍所発行 慶応3年(1867)

 10冊の本文(AJ-34)と図版1巻(AJ-41)からなる。本文各冊は、次の通りである。

 1・馬具新式 2・四斤螺砲新式 3・調装則 4・剣銃使用法 5・馭者演則 6・7・砲手教則 8・騎馬筒組小隊教則 9・10・大隊教則

 図版は、折り本の体裁で、第一巻の「馬具新式」で述べられている馬具の図(33種)が収録されている。

 発行元の陸軍所は、安政3年(1856)に軍備増強の一環として幕府が創設した講武所を改組した機関。慶応2年(1866)陸軍奉行の支配になる陸軍所が設置され、講武所の砲術部門がここに移された。

 葵文庫本には、「駿府学校」のほかに「箱館御役所」「攬英武揚之印」という印記がある。前者は箱館奉行所の蔵書印であるが、後者は、榎本武揚(えのもとたけあき)との関連も推察されるものの、未だ確認されていない。

官版 砲兵程式(3巻)の第1頁
  

官版 砲兵程式の馬の図
(3巻)の第1頁
 
馬の図

<参考文献>

AE-245 「The American Almanac and Repository of Useful Knowlege for the
Year 1860 」(「1860年版 アメリカ年鑑 有用知識の宝庫」)