江戸後期・明治初期の歴史/資料解説
葵文庫

 

AJ-15
[近藤守重撰「チュプカ」寛政12年(1800)87×142cm
印記:編脩地志備要典籍、昌平坂、寛政庚申]

 チュプカとは千島諸島のこと。「辺要分界図考」によれば、「日出る処」の意味である。

 近藤守重(重蔵)は、寛政10年(1789)、エトロフ島に「大日本恵土呂府」の標柱を建てた。寛政12年に同島で、この島々の情報に通じた現地人イチヤンケムシ(日本名市助)に、米粒で千島の形を作らせ、いろいろ質問し、さらにその地方の状況に通じる者の意見を参照してこの絵図を完成したという。

<参考文献>

    081.5-コ1「近藤正斎全集 第一」 図書刊行会 1905年
    「我国に於ける千島地図製作史 ー 北日本地図製作史ー」高倉新一郎、柴田定吉
    『北方文化研究報告』第三輯 北海道帝国大学 1939年

全体図
全体図