辞書の歴史/厚生新編

 フランス人ショメ−ルが編集した家庭百科辞典の蘭訳本を原本ととした翻訳書。『厚生新編』の翻訳は天文方に設置された蕃書和解御用(ばんしょわげごよう)の事業として、文化8年(1811)から開始され、少なくとも弘化2年(1845)まで30年以上にもわたって続けられた。翻訳に従事したのは馬場佐十郎、大槻玄沢、宇田川玄真など当代一流の蘭学者たちであった。
 原本は項目をアルファベット順に並べているが『厚生新編』では日常生活に供しやすいように部門を立て、項目を再編集した構成になっている。

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