辞書の歴史/和蘭字彙 (おらんだじい)

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 幕府の奥医師である桂川甫周(国興)(1826-1881)が、写本の蘭和辞典『ヅ−フ・ハルマ』を改訂増補したもので、甫周は題名を『和蘭字彙』と改め、木版にし、前編を安政2年(1855)、後編を同5年(1858)に出版した。
 本書は半丁30行、左側にオランダ語、右側に訳語(漢字カタカナ混じり文)が、縦書きされている。オランダ語は筆記体で、訳語は見やすい楷書で、それぞれ印刷されており、江戸時代における最高の対訳辞典であり、現代の対訳辞典の源流となった辞典である。

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