辞書の歴史/蘭仏辞典 <ハルマ編>

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 フランソア・ハルマ編の蘭仏辞典。本書は種々の蘭和辞典の原本となり、江戸期の蘭学発展に大きく寄与した。「ハルマ」といえばオランダ語の辞典と解され、著者ハルマはその代名詞とされたほどであった。  当館所蔵本は第2版(1729)で、日本初の蘭和辞典である『ハルマ和解』(江戸ハルマ)や『ヅ−フ・ハルマ』(長崎ハルマ)の原本と考えられている版である。表紙裏の貼紙に楓山という文字が記されているが、楓山とは「紅葉山文庫」のことであり、幕府が江戸城内に設けた一種の図書館のことである。

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