幕末の兵法書/精校海国兵談

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 ロシアの南下に警告を発し、対外兵備の急を唱え、水戦・砲戦などの重要性を説いた兵法書。初版の書名は『海国兵談』。
 「地続きの隣国をもたない『海国』日本には、それにふさわしい国防体制がなければならぬ」、これが著者林子平の根本命題となっている。
『海国兵談』の刊行は寛政3年(1791)4月であったが、寛政4年5月、老中松平定信は、「世間に無用の不安をおこす」との理由で本書の絶版を命じ、子平には蟄居を命じた。寛政5年6月、子平は没したが、天保12年(1841)に罪を許された。これに伴い本書の発禁も解除され、嘉永4年(1851)に『精校海国兵談』と題して再刻された。

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