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図書館員の棚から3冊(第118回)(2018/09/21)

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図書館員の棚から3冊(第118回)(2018/09/21)


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図書館員の本棚拝見!
このコーナーでは、あなたの町の図書館員が本や雑誌、漫画を御紹介します。
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■第118回目は小山町立図書館 滝口 詩乃 さん です。

 お正月の定番「かるた取り」。
 漫画『ちはやふる』などで、大人になった今、再びかるたに興味をもたれた方もいらっしゃるかと思います。
 その「かるた取り」を図書館でもやってみよう!ということで、当館でも来年1月「絵本でかるた取り大会」を開催することになりました。本年度イチ押しのイベントです。
 図書館職員選りすぐりの絵本を「あ」から「ん」までの46音に当てはめ、町内の小学生や、利用者の方に読み札の文言を募集しました。ただいま、選考中です。
 かるた取りの楽しみだけでなく、かるたづくりの面白さも知っていただけたらと思い、こちらの本を紹介します。

1 『いろはのかるた奉行 講談社の創作絵本』 
  (長谷川 義史/作・絵 講談社 2005年


 「ちはやふる」の中で行われている競技カルタでは百人一首が使われていますが、こちらは“犬棒”と言われるいろはかるたです。
 江戸時代、上方で生まれたいろはかるたに込められたことわざや生活の知恵を研究している「いろはのかるた奉行」さん。本の中では、奉行さんが一緒にいろはかるたの勉強をしてくれて、なおかつ、奉行さんが作った新しいいろはかるたを詠んで、解説までしてくれます。
 長谷川さんの描いた絵札に思わず笑ってしまうもの、ダジャレや言葉遊びでできた現代風かるたと、妙に納得してしまう説明が、どこから読んでも楽しく、ためになる(?)一冊です。
 論より証拠。まずは手に取って読んでみてください。
                                                               

2 『明日のカルタ ことば絵本』 
  (倉本 美津留/著 日本図書センター 2013年

 「明日」という字には、お日さまが出て朝が来て、お月さまが出て夜が来て、またお日さまが出て次の日の朝が来る、という風景が表現されている。あさっては「明明日」、しあさっては「明明明日」。未来へ進むほど明るくなる…そんな作家さんのメッセージがカルタ形式で紹介された本です。
 巨大カルタ大会のために作られたものだそうですが、“巨大”と付くからでしょうか、それとも、それぞれの文言と並べて描かれている絵(札)のせいでしょうか、普段当たり前に耳にしている言葉のはずなのですが、一つ一つに力強さを感じます。
 子どもの頃に読んでいたら、何事にもへこたれない大人になっていたかな?その前に、子どもらしくない子どもになっていたかも。出会っていなかったから今、こ んなに響くのかも知れませんね。
 「つまずくよ。つまずかないほうがオカシイよ。」
 子どもみたいな大人も勇気づけられる本です。                                         

2 『えでみるあいうえおさくぶん』 
  (ニシワキ タダシ/作 あかね書房 2017年

 笑わずにはいられません。めちゃくちゃウケます。
 例えば  <い>さおにいさんが
       <と>-クショーを
       <こ>とわったらしい
 縦に並んだ頭文字に選ばれている言葉と、それに続く文章の組み合わせが絶妙で、言葉選びのセンスが抜群です。
 なぜそうなるっ!と突っ込みを入れたくもなりますが、絵の面白さとも重なって、こう来るか…(ニヤリ)と、後からじわじわ来ます。相当ハマりました、私。言葉遊びの参考にどうぞ。
 作者のニシワキタダシさんは「日々かるたブック」というかるたの本も出されています。あいうえおに当てはめて作文をするということで、今回は読み札づくりの参考にこちらを選ばせていただきました。こちらもとても面白い本です。機会がありましたら、読んでみてください。

どうですか? かるた、作ってみたくなりました?

次回は 森町立図書館 菅沼 覚 さん、宮谷 恵子 さん、中嶋 裕子 さん です。
 

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