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図書館員の棚から3冊(第27回)


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図書館員の棚から3冊(第27回)

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 図書館員の本棚拝見!
 このコーナーでは、あなたの町の図書館員が本や雑誌、漫画をご紹介します。
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■第26回目は 三島市立図書館 立井 孝昌  さん です。

  図書館に勤務するようになり、さまざまな本や資料と接することができるようになりました。話題になった小説や、定番の絵本などではなく、この本を探した訳ではないけれど、図書館にあって良かったと思った3冊を紹介させていただきます。


1.「心が雨漏りする日には」(中島らも/著 青春出版社 2002年)

 精神的に調子が悪い状態が長く続いていた時期がありました。自身の体調の悪さが病気の症状なのか、それとも単なる疲労のせいなのか解らなくなってしまって、病気に関する本を色々と読みあさりました。知識を得ることはできましたが、体調が良くなるわけではないことに疲れていた頃に、この本を読んだのをよく覚えています。
 小説やエッセイなどを書き、劇団活動などもしていた「中島らも」の躁鬱人生の闘病記です。大変な事の連続なのですが、読むと面白いって感じです。バリ島で躁状態になったり、アルコール依存症で入院したりと破天荒ですが、不思議と生きる事への優しさとか一所懸命さが伝わってきます。病気に対して向き合っていくためには、もちろん適切な知識や治療は大切ですが、くよくよせず開きなおることも大切だと教えてもらった気がしました。


 2.「暮らしの基本がわかる大事典」(学研パブリッシング/発行 2014年)

 図書館には生活に関する工夫が載っている本は多数あり、実際に家で試してみると、これは便利だなあと我が家に定着していることがいくつかあります。
 今年の3月に出版されたこの本の良いところは、まず、目次から巻末の索引までオールカラーで、とても見やすいことです。しかも色分けが上手で、厚みのある本ですが、パートごとに目次と索引の両方からすぐに見たいページを開くことができます。本の大きさも縦が24センチで開くときに片手で収まる感じになっています。次には、料理や掃除などの他、マナーや風邪の予防や節約についてまで、とても多くの暮らしの基本が載っていることです。そのすべてを使うことはなくても、簡単に書かれているので、知らなくて試してみたいことが、きっとあると思います。
 家の定番になるものが、見つかると嬉しかったりしませんか?

 
3.「別冊太陽 柳 宗理-さあ、良い仕事をしよう-」
  (平凡社/発行 2013年)


 5年ぐらい前に、雑貨店の棚に置かれていたステンレス・ケトルが、目に留まりました。何度見ても、美しく正しい形に思えたこのケトルのデザインをしたのが、柳 宗理でした。
 家具や食器、調理道具の他、高速道路の防音壁や歩道橋など様々な代表的なデザインが写真で紹介されていて、どれも、シンプルなデザインの中に優美さがあって普遍的なものに感じました。また、デザインに関する考え方、年代ごとの作品、三代目の日本民藝館館長に就任した際の蒐集と創作などを知ることができ、これまで目にしてきたものも新たな視点で楽しむことができます。
 デザインや美術の本は、図書館で見る楽しみを教えてもらった大切なものです。

 
        次回は 静岡県議会図書室のみなさん です。
   
 

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