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リレーエッセー(第200回)最終回


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リレーエッセー(第200回)最終回

「こんな図書館にしたい」「私の出会った図書館員」「心に残るこの1冊」など、図書館員の“おもい”をリレー形式で紹介していきます。

■第200回目(最終回)は  静岡県立中央図書館 谷野純夫 さんです。

                    ~図書館員のVSOP~

  まずは、最終回の栄誉を頂いたこと、そしてこれまで寄稿された199人の皆様に感謝申し上げます。Last but not leastと言いたいところですが、芳醇な香りのする連載エッセイの末尾を汚さぬよう、ブランデーと図書館員について書いてみます。
 ブランデーには、VO、VSO、VSOPといった格付けがあります。VSOPとは、very superior old pale(とても優れた古い澄んだブランデー)ということになります。夜のお菓子「○なぎパイ」にも、ブランデーの芳醇な香りに包まれた最高級の「○なぎパイV....」がありますが、今日は、もう一つのVSOPをご紹介します。
 それは、「経営の教科書」「リーダの教科書」のベストセラーで知られる新将命氏が、数年前に「ビジネスパーソン人生のVSOP」と題したお話の中で、20代から年代を追って紹介した4つの英単語です。すなわち、Vitality(活力)、Specialty(専門性)、Originality(独創性)、Personality(個性)です。大変説得力のある年代ごとの特性で、印象に残るお話だと思います。
 そこで、私も図書館職員に相応しいVSOPがあるだろうと考えてみました。Versatility(多才・多様性)、Sincerity(誠実)、Open-mindness(心の広さ)、Productivity(生産性)の4つです。0類から9類の図書すべてに通じているためには、「多才」であることが求められるでしょう。利用者のレファレンスへの対応は、常に「誠実」でありたいと思いますし、様々な要望に対して耳を傾ける「心の広さ」も求められます。そして、文化施設である図書館は利用者に娯楽を与えると同時に、「調べる。考える。解決する。」という「知の生産活動」を支援するものでなければなりません。
 図書館員は経験を積めば積むほど、ブランデーのように色合いも香りも良いものになっていきます。二つのVSOPを縦糸と横糸にして、VSOPにたどりつくよう、共に研鑽を積んでいきましょう。

   リレーエッセーは今回で最終回です。
   次回からは新連載「図書館員の棚から3冊」を掲載します。

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