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リレーエッセー(第180回)


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リレーエッセー(第180回)

「こんな図書館にしたい」「私の出会った図書館員」「心に残るこの1冊」など、図書館員の“おもい”をリレー形式で紹介していきます。

■第180回目は 浜松市立細江図書館 柴田 悟子 さんです。


 私は地元の小学校で読み聞かせボランティアを始めて3年目になります。毎学期2~3回程度ですが、出勤前の時間や休日を利用してお母さんたちと一緒に地域の『おばさん』として参加しています。担当は高学年が多く、毎回選書に頭を悩ませています。感情を素直に表現する幼児や低学年の児童とは違い、高学年にもなると無表情のためなかなか反応を確かめることができません。それでも、私自身子供たちとおはなしの世界を共有できる喜びを感じながら読み続けてきました。 

 今年度2回目の読み聞かせの時でした。6年生の担当だった私は昔話と科学絵本を2冊読み終えて教室から離れようとすると、ひとりの女の子が「あー面白かった」と呟く声が聞こえました。何気ない一言でしたが私は思わず心の中でVサイン、何とも言えない充実感を味わいました。子供たちの心にはちゃんと届いていたのです。

  毎年3月にはこの小学校の子供たちからお礼の手紙や色紙をいただきます。その気持ちもとても嬉しいものですが、今回の何気ない呟きはそれ以上でした。そしてそれは私にとってひとつの自信となり、これからも図書館員としては当然のことながら、地域のボランティアとしても子供たちの心に響くおはなしをたくさん届けていきたいと思っています。


          次回は 伊豆市立修善寺図書館 秋山 泰子 さんです。
 

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