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リレーエッセー(第175回)


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リレーエッセー(第175回)

「こんな図書館にしたい」「私の出会った図書館員」「心に残るこの1冊」など、図書館員の“おもい”をリレー形式で紹介していきます。

■第175回目は 沼津市立図書館  高村 悠子 さん です。


   高校時代の部活動で、ミュージカル「オズの魔法使い」を文化祭で上演しました。そこからこの作品に興味が沸き、調べてみると作者ライマン・フランク・ボームは、14作のオズシリーズを残していたことがわかりました。日本語訳をしているものは、早川文庫での14冊だけ。(現在は復刊ドットコムで随時刊行されています。全15冊ということで、最後の1冊がとても楽しみです。)

 地元の沼津市立図書館には、シリーズのうち2冊しかありませんでした。こうなると、ほかのお話が読みたくてたまらなくなります。

 今と違って、インターネットでの購入も一般的でない時代でした。古本屋を彷徨い、14冊のうち13 冊までは買い揃えることができました。ですが、あと1冊がどうしても見つかりません。

 そこで図書館でリクエストして、やっと最後の1冊を手にとることができました。見ると、沼津ではなく、他の図書館のラベルが貼ってあります。「こんなサービスもやってるんだ!やるじゃん図書館」と、とても印象深かったのを覚えています。

 あれから何年も経って、自分が図書館に勤務し、相互貸借の手続きをするようになるとは思いませんでした。

 ずっと読みたかった本を手にすることができる喜び、あの時自分が感じた気持ちを忘れずに仕事をしていきたいと思います。


次回は 沼津市立図書館 渡邊 拓実 さんです。

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