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リレーエッセー(第167回)

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リレーエッセー(第167回)

「こんな図書館にしたい」「私の出会った図書館員」「心に残るこの1冊」など、図書館員の“おもい”をリレー形式で紹介していきます。

■第167回目は 菊川市立小笠図書館 後藤 桃代 さん です。

  図書館の仕事

 私は図書館に勤めてちょうど10年目になります。様々な仕事をしてきましたが、私が最も苦手としていたのがおはなし会でした。あがり症なので最初の頃はお客様に対して申し訳ないほどの出来だったはずです。しかしそんなおはなし会の中で私の考え方を変えた印象深い出来事がありました。
 それは幼児向けの毎週水曜日に行うおはなし会でのことです。「さいごのこいぬ」という本を読んだのですが、子犬たちがいろんな家に引き取られていき、ある一匹の犬が最後まで残ってしまって悲しむけれど最終的にはやさしい人に引き取られるというおはなしです。
 残ってしまった場面を読んでいると、一人の女の子が今にも泣き出しそうにしていました。私は子供の純粋さに感動すると同時に、そんな風に人の心に響くおはなしの影響について考えさせられました。
 それからは、聞いてくれる人の心に少しでも残るようなおはなし会をしたいと思うようになり、工夫しながら今では一緒に楽しめるようになってきました。何のために仕事をするのか、それがどんな意味を持つのかをいつも心に留めて、これからもこの仕事に取り組んでいきたいと思います。

  次回は 静岡大学附属図書館 森内 文 さん です。
   

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