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リレーエッセー(第145回)

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リレーエッセー(第145回)

「こんな図書館にしたい」「私の出会った図書館員」「心に残るこの1冊」など、図書館員の“おもい”をリレー形式で紹介していきます。

■第145回目は 静岡県立中央図書館 稲葉 寛子さん です。

 県立中央図書館勤務となり1年が過ぎました。広報を担当しています。
私が初めて県立中央図書館を利用したのは学生の頃。南伊豆のある地区について調査をすることになり、情報が欲しくてやってきました。「静岡県に関する資料なら、まずは県立中央図書館に行くといい」と誰かから聞いたのだと思います。実際に県立中央図書館に足を踏み入れて、静岡県に関する資料(地域資料)のコーナーを眺めてみると、地味な色合いをした行政資料がずらっと並んでいたり、背表紙がないほど薄い資料がぎっしり入っていたりと、目を引く色のついた表紙の本が並ぶ図書館の書架に慣れている私にとって、この色の少ない空間は実に異様に感じられました。
 その中の薄い資料を引き出し、手にとって見てみると、それは無料で配布されている(と思われる)リーフレットで、「えっ?バーコードが貼ってあるけれど、これって図書館の資料なの??」と思った記憶があります。しかし、そのリーフレットを見てその地区がどのようなことを売り出そうとしているのか読み取ることができ、調査テーマを決める際の手がかりとなりました。また、地名すら聞いたことのなかったその地区について、いくつもの資料から情報を得ることができ、調査に対する意欲が沸いてきたように記憶しています。
 今となってみれば、「レファレンスサービスカウンターで質問しておけば、もっと効率よく色々な情報を得られたに違いない」と思いますが、まだ若くて小心者の私にはその勇気がありませんでした。

 「静岡県に関することを調べたければ地域資料をあまねく収集している県立中央図書館へ」「子ども向けの本を探しているのならば、出版されるすべての児童書を購入している県立中央図書館の子ども図書研究室へ」というように、当館の売りは色々あります。これらの売りをより多くの方に伝え、私が学生の時に助けられたように、問題解決のお手伝いが出来たらいいなと思っています。
 
 次回は 静岡県立中央図書館 太田 夏子さん です。   


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