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リレーエッセー(第135回)

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リレーエッセー(第135回)

 

「こんな図書館にしたい」「私の出会った図書館員」「心に残るこの1冊」など、図書館員の“おもい”をリレー形式で紹介していきます。

■第135回目は 裾野市立鈴木図書館 の 西澤 慶子さん です。

 裾野市立鈴木図書館に勤務して2年目になり、一般書を担当しています。選書・受入・リクエスト……と、ついつい新しい本にアンテナを向けがちですが、先日お客様の返却本の中に懐かしい本を見つけました。松谷みよ子さんの「おさじさん」と、安房直子さんの「ハンカチの上の花畑」です。
 「おさじさん」は、手にするまですっかり記憶の彼方に追いやられていたのですが、少し茶色がかったうさぎの表紙を見た時、幼稚園で繰り返し繰り返し読んでいた頃の目線に戻ったような錯覚を覚えました。私も、うさぎと同じスプーンが欲しい!「ハンカチの上の花畑」は、小学校低学年の時の読書感想文の課題図書で、大好きな一冊でした。酒屋のおばあさんから預かった古いつぼに呪文を唱えると、ハンカチの上に美味しい菊酒をつくる小人の家族が現れて……。当時の私はハンカチの上に現れる小人たちに興味津々でしたが、大人になった今、小人たちが作る菊酒を一口いただいてみたいような気持ちがします。
 小さい頃から本そのものが大好きな私にとって、図書館で働くことはごく自然のことのようでいて、続けられる幸運と温かく支えてくださる職員の皆さん・お客様に心から感謝しています。これまでを振り返ると、思い出とともに忘れられない本がたくさんあります。悩みごとからいつまでも抜け出せない時は、書架の間をぐるぐると歩き「まだ私の知らない世界がこんなにある」と、本に励まされてもきました。図書館を利用して下さるお客様にとっても、良書と出会える居心地の良い場所であるよう、これからも日々勉強!精一杯努力していこうと思います。

 次回は 掛川市立中央図書館 の 中井 忠道さん です。

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