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2016年7月の貴重書展示

韮山反射炉と江川英龍

『近世人物誌第十三江川太郎左衛門 』画像

韮山反射炉はUNESCOの世界遺産として登録された「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の1つです。反射炉は壁や天井で熱を反射・集中させて温度を高め、鉄製の大砲を鋳造可能とした金属炉です。江戸末期には各地で築造されましたが、現存する遺構は萩と韮山の反射炉だけです。

韮山反射炉の築造者が江川英龍(号:坦庵 通称・襲名:太郎左衛門)です。英龍は伊豆韮山の世襲代官である江川家第37代当主で、砲術や西洋の技術書翻訳に力を入れていました。ペリーの黒船来航を受けて海防掛に命ぜられた際、性能の良い鉄製大砲が製造できる反射炉の必要性を感じ、築造に着手しましたが、存命中には完成に至らず、事業を継いだ息子により反射炉は完成しました。

韮山反射炉で作られた鉄製大砲は、こちらも英龍により設営された品川台場に配備されるなど、幕末期の国防で活用されました。

展示期間・場所

期間 7月19日(火)~8月22日(月)

場所 静岡県立中央図書館 閲覧室 貴重書展示コーナー
(期間中、資料を入れ替えて展示します)

展示資料一覧

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書名等 画像 略説
K915-108-037-093
『近世人物誌第十三江川太郎左衛門』
『近世人物誌第十三江川太郎左衛門』画像 こちらは、水戸の屋敷に招かれた江川太郎左衛門が止むを得ず一曲奏でると、その音色・演奏が巧妙で素晴らしかったので、斉昭はじめその場にいたものが、平生武骨な江川に似ないことであると感嘆して拍手をおくったという逸話を描いたものです。

S690/17
『静岡県の絵葉書 江川太郎左衛門ノ肖像』
『江川太郎左衛門ノ肖像』画像 こちらは、伊豆韮山古跡絵葉書の中の、江川太郎左衛門ノ肖像です。
AN282
『熕銕全書圖』
『熕銕全書圖』画像
大砲の鋳造法を記述した『オランダ国立ロイク製鉄大砲鋳造所における鋳造法』(ヒュゲニン著)の翻訳書で、附図の箇所を毛筆で正確に写したものです。韮山や佐賀の反射炉を造築するにあたって大いに参考にされました。

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