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2013年6月の貴重書展示

『新編塵劫記』画像

教科書ノスゝメ

江戸時代の日本は、庶民の識字率が世界一だったと言われるなど、世界最高の教育水準を誇る教育先進国でした。

その最たる要因は、全国に作られた藩校や寺子屋で、その数もさることながら教育の質も非常に高く、人格形成にも力を入れていました。藩校は武士のための教育機関で、主に儒学などの教養科目を学んでいました。寺子屋は庶民のための教育機関で、「読み・書き・そろばん」など実生活に即した学問が中心でした。儒学を学ぶ際には、四書五経など儒学の経典を暗誦する「素読」が主に行われていました。寺子屋では、手紙形式の「往来物」が教科書として使われていました。往来物の種類は出版技術の発達とともに爆発的に増加し、7000種にも及ぶと推測されています。このような江戸時代の教育水準の高さが、江戸文化の隆盛を支え、明治以降の日本の急成長を支えてきたのです。

今回の貴重書展示では、これら江戸・明治期に使われた教科書を紹介します。

展示期間・場所

期間 6月1日(土)~6月27日(木)
場所 静岡県立中央図書館 閲覧室 貴重書展示コーナー

展示資料一覧

画像をクリックすると、当館デジタルライブラリーの該当資料または拡大画像が表示されます。

書名等 画像 略説
K179/57
『庭訓往来』
『庭訓往来』画像  書状の書き方の模範文例集から、月毎に立てた主題に関する主要な語彙を列挙した例文集です。江戸時代後期の寺子屋最盛期には、庶民の家庭や寺子屋の教科書として普及し、多種多様に編集・出版されました。
K179/61
『実語教・童子教』
『実語教』画像  仏教及び儒教の経典より選択された格言集です。五字を一句とし、韻を踏んでおり、子どもが口に唱えて覚えやすくなっているため、永らく習字教本や教訓本として使用されていました。
419.1/ヨシ
『新編塵劫記』
『新編塵劫記』画像  吉田光由が中国の数学書を基に作成した数学書です。数や計算単位の説明に始まり、算盤による乗除法、米・綿・木綿の売買、利子の計算など、日常で使う計算のほか、算盤の練習問題等も記載しています。
450/オハ
『天変地異』
『天変地異』画像  欧米の理科書の抄録を多数収録した明治初期の代表的な理科教科書です。迷信や不思議と思われていた地震、彗星などの天体、気象を、分かり易い図絵を入れて解説しています。
S290/243
『静岡縣誌』
『静岡縣誌』画像  幕末から明治期には、海外や日本のことを知る必要に迫られました。まずは近隣の地理から学ぶという方針のもと、全国で郷土地理の初歩教科書が多数出版され、静岡県でも「静岡縣史」が作られました。

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