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―館長のひとりごと― 平成27年11月

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11月30

 今年は穏やかな日が多いと前回書いたら、先週後半あたりから、急に冬になってしまい、コート、マフラー姿が目立ってきました。明日から師走ですから当然と言えば当然ですが。

 今日は月末の館内整理日です。月に1度の全体会(静岡県歴史文化情報センターの職員も出席)で、12月の予定確認、各課からの連絡事項など情報共有を図りました。今日は県図書館大会の反省会も行いました。休館日には、全体会のほか、課・係、ワーキンググループの会議、図書資料の整備、展示の準備、業者による施設の点検・修理などを行います。

 先週は、26日に沼津市立図書館で「防災・危機管理」をテーマに総合研修を行いました。午前は地震が起きた場合の対応について、いくつかの状況を想定して行動を考えました。午後は人によって引き起こされる危機について、回避するための予防策や発生時に被害を最小に食い止めるための方策について考えました。いつもの図書館研修と違って、今回は男性職員の参加が目立ちました。人によるトラブルについては本当に様々なことが起こる可能性があることを、講師のお話や事例集から改めて思いましたし、対応策の必要性も痛感しました。

 11月後半は、新刊児童図書巡回展示研修会(掛川・三島)、総合研修(沼津)、レファレンス出前研修(今回は焼津、2月までに計6館)など、当館が県内各地に出向く形態の研修が行っています。2月には伊豆賀茂地区の研修もあります。他にも、振興係による図書館未設置自治体の職員研修受入や訪問指導をはじめ、協力貸出による資料提供、市町の地域資料のデジタル化(ふじのくにアーカイブ(仮称)構築事業)など、館をあげて市町の図書館への協力・支援を行っています。

 今週は、12月3日に、県内の書店員・図書館員がおすすめしたい本を選んだ、第4回静岡書店大賞授賞式に出席させていただきます。今年はどの作品に決定したのか、発表が楽しみです。

 私事ですが、昨日の日曜日は地元御前崎市のマリンパークマラソン大会5Kmの部に参加、西風も静かで気持ちよく走ることができました。その後、御前崎市立図書館に移動して「手づくり絵本コンクール」の表彰式に出席。閲覧室のカウンター前に設置された会場での、利用者の方々にも見守られた温かみのあるイベントでした。

11月24

 昨夕からの雨が上がり、静かな朝となりました。この雨雲のためか、今朝の富士山の雪が増えました。例年だと、この時期には私の住む県西部では強い西風が吹き始めているのですが、今年はここまで穏やかな日が多い気がします。

 先週18日には当館の新刊児童図書巡回展示研修会を掛川市立図書館の御協力で開催し、市町立図書館、学校図書館、読み聞かせグループ関係の皆さんが参加されました。当館の子ども図書研究室から新刊本約1000冊を展示し、実際に手にとって御覧いただくとともに、選書についての相談も行いました。講演では、元浜松市立中央図書館長、現在は大学講師をなさっている松本なお子先生から児童図書の選書についてお話を伺いました。選書の意義、選書の進め方(選書方針、蔵書構成、収集範囲、予算)、個々の資料の評価等、司書として管理職としての豊富な経験に基づくお話は説得力があり、自分たちが図書館職員としてレベルアップするため、さらなる勉強の必要性を痛感した内容でした。この巡回展示研修会は今年度から2か所で開催、20日には三島市立図書館でも実施しました。なお、1212日には当館の子ども図書研究室で「新刊サロン」がありますので、是非おいでください。

 17日の火曜日には、視覚障害者情報支援センターの第2回運営協議会がありました。上半期のサービス状況と今後の活動計画等が話題となりました。図書・雑誌の貸出については、サピエ図書館を利用して資料をダウンロードする方が増加し、実際の貸出が減少傾向にあるとの報告がありました。席上、ある委員の方から「公共図書館の障害者サービスにおける資料の変換に係わる図書館協力者導入のためのガイドライン」(2005年:日本図書館協会)を読んでいますか、と質問されましたが、私は恥ずかしながら資料名さえも初耳でした。

 今週は、26日に沼津市立図書館をお借りし、総合研修を行います。内容は、防災や危機管理です。地味ですが重要なテーマであると思っています。
 27日には調査課のレファレンス出前研修の第1回を焼津市立図書館で実施します。当館職員が市町立図書館に伺ってレファレンス技術の向上を目的に行います。今年度は2月までに6館をまわります。
 同じ27日の午前には当館正面玄関横で、静岡県看護協会の御協力を得て、健康相談会「まちの保健室」を開催します。心やからだの気になることや悩みをお気軽に相談できます。

 私事ですが、この連休は裾野市の愛鷹山系の山歩きと清水にぎわい落語まつりを楽しみました。からだと心をリフレッシュして月末を迎えます。

11月16

 穏やかな秋晴れの朝です。ひんやりとした空気と足下の落ち葉がこの季節にふさわしい感じです。

 10日の火曜日には、熱海市立図書館の創立100周年記念式典が市内の起雲閣で開かれました。当館よりも10年先輩であり、大正4年1110日、文豪坪内逍遙らの有志が寄贈した図書をもとに熱海町立図書館が開館したとのことです。熱海市は現在新図書館の建設計画を進めています。私は祝辞の中で、図書館は「これからのまちを支える人づくり」のために運営されるべき教育施設、「まちが持続していくための将来への投資」と思う。主役である市民の方々が「自分たちで作り上げた図書館」という意識を持つことができれば、完成後、可愛がられ、利用される図書館となっていくものと期待していると申し上げました。これからの動きが楽しみです。

 13日の金曜日には、静西教育事務所の職員に同行して御前崎市立浜岡中学校を訪問しました。これは教育委員会事務局の職員も学校に足を運んで現場を体験しようというプロジェクトによるものです。浜岡中学校は母校であり、40数年ぶり、卒業以来初めて教室に入りました。校舎は築57年ということで基本は当時のままでした。公開授業を2コマ、研究授業を1コマ見学しました。グループで生徒が活動する授業が多く、活気がありました。日常静かな空間にいるので、生徒たちの声が新鮮に思えました。

 14日の土曜日には、ユニバーサルデザイン絵本コンクールの表彰式と作品展示が静岡文化芸術大学でありました。同大学の林左和子先生が企画・運営されているコンクールであり、今回で6回目となります。県内外から、また小学生低学年から大人の方まで応募されており、子ども、お年寄り、障害のある方、誰もが楽しめる絵本を意識して取り組まれている様々な作品がたくさんありました。展示された作品には、見る人をやさしい気持ちにさせる魅力がありました。19日まで同大ギャラリーで展示されています。

 今週は当館の新刊児童図書巡回展示研修会を県内二ヶ所、18日には掛川市立図書館で、20日には三島市立図書館で開催します。当館の子ども図書研究室の新刊本の紹介と講演で、市町立図書館、学校図書館、読み聞かせグループ等の皆さんが参加されます。私も掛川に行く予定です。

 17日の火曜日には、視覚障害者情報支援センターの第2回運営協議会があります。上半期のサービス状況と今後の活動計画について協議があります。

11月10

 日曜日からはっきりしない天気が続いています。

 先週、3日の文化の日、大人の読書推進の一環として「大人のたしなみセミナー」を開催し、藤枝市出身の脳研究者、報道番組のコメンテーターでもお馴染みの池谷裕二先生に御講演いただきました。約180名の参加者で講堂はほぼ満席でした。私たちの行動をコントロールしているのは無意識の領域であり(意識は飾り物程度)、その無意識は経験の積み重ねによって作られるようです。とすると、私のような年齢だとどう行動するかほとんど決まっているように思え、怖かったり寂しかったり、少し複雑な気持ちになりました。

 8日の日曜日には、県読み聞かせネットワークと共催で講演会を開催しました。視覚に障害の持つ方のために、「点字つき絵本」の作成に共同で取り組んでいる小学館図鑑NEO、福音館書店、こぐま社、偕成社の編集部の方々からお話を伺いました。文字だけでなく、色のついた絵を点字で表現することなど様々な苦労を知るとともに、採算ベースに合わなくても自分たちの使命として取り組もうとする心意気を感じました。雨の中、参加いただいた100名近い皆さんも感動されていました。

 そして、昨日9日の月曜日には、本県の図書館関係者、読書関係者にとって、最も大きな行事である静岡県図書館大会がグランシップでありました。今回で23回目、前身の県読書大会から数えると50回以上の歴史があります。約900名が参加、開会式には副知事、教育長にもおいでいただき、午前のライブトーク、午後の分科会と充実した一日でした。県レベルでこれだけの規模の大会が行われるのは全国的にも珍しいようです。携わっていただいた県内図書館の運営委員の皆さんに感謝です。私は以前当館に勤務していた時に担当していたので、当時を思い出して懐かしい気持ちになりました。参加者の今日からの元気に少しでもつながれば幸いです。

 今週は、今日10日は、熱海市立図書館の創立100周年記念式典があります。13日の金曜日には、教育事務所の職員に同行して中学校の授業を見学してきます。14日の土曜日には、以前勤務していた静岡文化芸術大学でユニバーサルデザイン絵本コンクールの表彰式と作品展示があるので久しぶりにお邪魔するつもりです。

11月2日

 このところさわやかな好天が続いていましたが今朝は久しぶりの雨です。涼しいというより少し寒いといった感じの秋雨です。

 読書週間が先週27日から始まっています(11月9日まで)。今年の標語は「いつだって、読書日和」。27日は活字文化の日でもありました。「知の基盤となる公立図書館に」「図書館は地域の『知の拠点』」「図書館の民間委託 『知の拠点』地域で守れ」など識者の方の文章が新聞にいくつか掲載されました。図書館の在り方をめぐる議論も最近よく見かけます。図書館が話題となることは有難いと思いますし、私自身の勉強や刺激にもなっています。読書に戻れば、私の読書タイムは電車に乗っている往復100分で、読む本はほとんどが小説の類いです。他のジャンルの本も読まなくては思ってはいますが...。

 31日の土曜日には、貴重書講座を開催し、葵文庫の会の田中文雄様から「静岡県立葵文庫の大正と昭和」という演題で講演いただきました。当館の前身は1925(大正14)年に県庁の隣に開館した「静岡県立葵文庫」です。1970(昭和45)年、現在地に移転して「静岡県立中央図書館」となったわけですが、今年は葵文庫の頃から通算して90周年にあたります。そうした事情も踏まえ、今回は葵文庫開館の頃、太平洋戦争時の苦難など当館の歴史の一部を当館所蔵の資料などをもとに、貴重な写真も提供いただきながらお話しされました。約70人の参加者も熱心にお聴きになっていました。私自身も新たに知ったことがたくさんありました。

 講師の田中様が所属する「葵文庫の会」は、当館の貴重資料や地域資料等の研究促進を図ることを目的として活動している会で、当館の旧職員を中心に構成されています。毎年、この貴重書講座を担当してくれており、当館を陰で支えてくださっています。

 今週も明日3日には、大人のたしなみセミナー(2)で東京大学薬学部の池谷裕二先生から「脳を知って、脳を活かす」という講演をいただきます。8日には、読み聞かせネットワークとの共催の講演会で、「すべての子どもたちに読書の喜びを ~点字つき絵本のできるまで~」というテーマで、小学館図鑑NEO、福音館書店、こぐま社、偕成社の編集部の方々からお話を伺います。そして、来週9日の月曜日は、静岡県図書館大会です。本県の図書館関係者、読書関係者にとって、最も大きな行事です。先週金曜日に最終の運営委員会を開きました。参加される方々にとって、明日の元気につながる大会となるよう願っています。