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名著・貴重書/洋書と明治初期の翻訳書
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(2)経済書

AE198
Adam Smith
“An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations” Edinburgh,1863.
(アダム・スミス『諸国民の富(国富論)』1863年 エディンバラ)1冊[初版は1776年]
印記:開成所、静岡学校 

表紙
 
スミスの肖像とタイトルページ
表紙
スミスの肖像とタイトルページ

 イギリス古典学派経済学の創始者アダム・スミス(1723-1790)の主著で、資本主義社会を最初に体系的に把握した書物ある。
 スミスの生きた時代のヨーロッパは大きな変革の時期であった。『諸国民の富』の初版がロンドンで出された1776年にはすでに産業革命が始り、アメリカは独立を宣言した。また、フランス革命が起こったのは、彼がグラスゴー大学の学長に就任して2年もたたない時であった。
 『諸国民の富』は出版の年から翌年にかけてたちまちドイツ訳2巻が出版され、続いて数年のうちに、フランス訳、デンマーク訳、イタリア訳などが出された。イギリスではスミスの生存中5回まで版を重ね、随時増補が行われていった。(1)
 日本ではスミスの名は明治の初めに知られ、福沢諭吉や神田孝平はスミスについて語っており、明治15年4月には石川暎作訳(書名は『富国語』)が分冊パンフレットの形で出版された(2) 。江戸幕府旧蔵の当館本はスミスが晩年を過ごしたエディンバラからの出版である。

<参考文献>
    (1)(331-208)高島善哉『アダム・スミス』岩波新書 1975年 p. 46.
    (2)(081-113-5)大内兵衛ほか訳『諸国民の富』(5)岩波文庫 1981年 p. 120.

 
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