江戸後期・明治初期の歴史/資料解説
葵文庫

 

K070-2
[「ハルマ和解」(江戸ハルマ) 稲村三伯ほか編 写本13冊]

 ハルマの「蘭仏辞典」を原本として編纂された日本最初の蘭和辞典で、約6万語を収録している。約13年を費やして寛政8年(1796)に草稿が完成、以後2〜3年かけて30余部が順次刊行された。
 江戸の蘭学者が中心になったことや、後年完成された「ヅ−フハルマ」(長崎ハルマ)と区別して「江戸ハルマ」とも呼ばれる。原本としたハルマ「蘭仏辞典」のオランダ語による説明の部分を訳したもの。刊本は見出しだけが木活字で印刷され、訳語は毛筆で右から左へ縦書きに記されている。
 当館所蔵本は写本であるので、オランダ語の見出しも筆で書かれている。

<参考文献>

    849-2 「江戸時代蘭語学の成立とその展開 III」(杉本つとむ 早稲田大学出版部)(当館所蔵本についての記述がある)

本文の一部
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